歯周病治療
歯周病治療口腔内を歯周病原因菌から守り、歯と組織を守るための治療
歯周病から歯を守る
歯周病がどのような口腔疾患であるかを正しく理解している方はどれだけいるでしょうか?そして、ご自身が歯周病に罹患している可能性があると思ったことがある方はどれだけいるでしょうか。
歯を失う原因で最も多い歯周病は成人していれば誰でも罹患する可能性が高く、顕著に症状がない病気であることから、症状を感じたときには歯が残せるかわからない状態にまで進行しているケースも少なくありません。
「歯は健康の要」
いつまでも楽しく会話や食事を楽しみ、豊かな人生を送るためには、歯が必要です。
そのために歯周病からご自身の歯を守ることが重要です。当院は歯周病の治療と予防を柱に、歯周病で歯を失ってしまった方に対しても機能回復を考慮した治療を行います。
歯周病とはどのような口腔疾患なのか?
歯周病は細菌によって歯槽骨が溶かされていく病気である
歯周病は歯周病原因菌(細菌)によって歯槽骨(歯を支える骨)が溶かされていく病気です。骨が溶かされると歯肉と歯の間にポケットが形成されるので、歯周ポケットと呼びます。骨が溶かされれば溶かされるほど、歯周ポケットは深くなっていきます。
ではこの細菌はどこにいるのか?それはバイオフィルム(プラーク)にいます。このバイオフィルム内で歯周病原因菌が増殖し、炎症を引き起こします。そうすると歯肉からは血が出て、血に含まれる鉄分を栄養として更に歯周病原因菌は増殖し、どんどんと骨を溶かしていきます。
この歯周病に大きく関わる3種類の細菌を「レッドコンプレックス」と呼びます。この細菌や細菌が蓄積する原因となる歯石などを取り除いて行かない限り、歯周病は進行続けてしまいます。
歯周病の原因となる細菌は「常在菌です」
歯周病の原因となる細菌はいつもお口の中にいる常在菌です。
普段は悪さをしない常在菌ですが、嫌気性の高い場所(空気の触れない場所)で増殖します。つまり、歯と歯の間や歯と歯肉の境目など磨き残しが発生しやすい場所は細菌にとっては恰好の条件であると言えます。
細菌が増殖していくと、出血を止めているバリアが崩壊し出血をするようになります。出血した鉄分を栄養素として更に増殖し、悪さを急激に始めます。
よくテレビのCMなどで「歯周病予防にはプラークコントロールが重要です」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、この悪さをする原因となる細菌が住み着くバイオフィルム(プラーク)をコントロールすることが歯周病の予防や治療に重要なファクターとなります。
繰り返しになりますが、歯周病の原因菌は「常在菌」です。いつでも歯周病になるタイミングを淡々と狙っているのです。
全身疾患との関係性が強い病気です
歯周病原因菌は血管内から侵入し、全身へ運ばれることで様々な病気を引き起こします。
- 糖尿病
- 誤嚥性肺炎
- 心筋梗塞
- 低胎児出産
- 早産
- 骨粗鬆症
- アルツハイマー病
- 動脈硬化 など
現在も歯周病原因菌が全身疾患と関わる事実が報告されています。つまり、お口の中の問題だけではないということを強く理解していただきたいと思っています。
どれだけ食事や睡眠、運動に気を付けていても、歯周病によって歯を失ったり全身疾患の原因となってしまっては健康を守ることはできません。
歯周病の症状はありませんか?
歯周病はサイレントディジーズ(静かなる病気)と呼ばれている通り、自覚症状がなく進行する病気です。「まさか自分が歯周病だったとは・・・」と皆さんおっしゃいます。
歯周病は早期に治療を行えれば、歯を失わずに済みます。以下のチェックリストを参考にして見て下さい。
歯周病のチェックリスト
歯茎から血が出る
(歯肉炎・軽度歯周炎)
歯茎のバリアが破壊され、膝を擦りむいたような状態です。
この血を栄養分にして細菌は増殖するので、進行させないためにも治療を行いましょう。
朝起きると口がネバネバする
(軽度・中等度・重度歯周炎)
歯肉溝浸出液と呼ばれるものが出ている状態です。
これは細菌が増殖しているサインです。早期の治療が求められます。
口臭が強くなってきた
(中等度・重度歯周炎)
歯周病の細菌が代謝をすることで硫化水素やメチルメルカプタンを発生させ、強い口臭を放つようになります。歯周病が進行するとより臭いが強くなります。
歯が長くなった・歯茎が下がった
(中等度・重度歯周炎)
歯周病によって歯肉が退縮してしまったことで、歯が長くなるように感じます。また、歯肉退縮することで歯と歯の間に隙間が空いてしまいます。
歯がグラグラする
(中等度・重度歯周炎)
歯周病によって歯槽骨が溶かされてしまい、支えることが困難になることで歯がグラグラします。歯周病がかなり進行しているサインです。
出っ歯になってきた
(重度歯周炎)
歯がぐらつくようになると舌の力に負け、出っ歯になるケースがあります。徐々に出っ歯になり、時間が経過すると口が閉じられなくなる場合もあります。
歯周病を改善する治療法
どの歯周病になっても基本的に治療方法は一緒です。しかし、中等度・重度の歯周炎に進行すると歯周外科治療や歯周組織再生療法が必要になる場合もあります。どの程度でも共通する歯周治療の目標は「細菌の原因を除去する」ことです。これを行わない限りは歯周病は改善しません。それでは詳しく治療について解説していきます。
歯周基本治療
歯周病の基本となる治療です。つまり、初期治療になります。
歯周基本治療の目標は、「細菌に侵されない口腔環境を作り出すこと」です。そのために行うことは以下です。
SRP
(スケーリング・ルートプレーニング)
SRPはバイオフィルム(プラーク)や歯石を除去する治療です。歯科衛生士によって歯肉縁上(歯茎の上)・歯肉縁下(歯周ポケットの中)を徹底してクリーニングを行い、細菌に起こされない環境にリセットする治療です。
プラークコントロール
(セルフケア)
プラークコントロールはSRPでリセットした状態を維持するために、ご自宅で行っていただくセルフケアとお考え下さい。このプラークコントロールが歯周病の全てと言っても過言ではないほど重要なファクターです。プラークコントロールレコード(染め出しでどれだけ磨けているかのチェック)を元に歯科衛生士が丁寧にブラッシング指導を行います。
PMTC
(プロフェッショナルクリーニング)
リスクの高い歯にはPMTCを行います。歯周病のリスクファクターを取り除くために機械的な要素を取り入れて、クリーニングを行います。バイオフィルム(プラーク)を効率的に除去することが可能になります。
歯周外科治療
歯周基本治療だけでは改善が見られなかった場合、歯周外科治療を行って更に原因除去を試みます。
歯槽骨の吸収(溶かている)度合いによっては、歯周組織再生療法を行います。
フラップ手術(歯肉を開いて原因を除去する)
歯周基本治療で改善出来なかった場合、再検査を行った上でフラップ手術を行います。
フラップ手術の目的は、上からではアプローチできなかった根面の汚れを徹底清掃することです。
フラップ手術完了後は、歯肉を縫合し経過観察に入ります。
歯周組織再生療法
歯槽骨が大幅に吸収されてしまっている場合は、土台となる歯槽骨を再生させるために歯周組織再生療法を行います。フラップ手術で概ねは改善しますが、すでに歯槽骨が吸収されてしまっている場合は、土台がないと歯が安定しないため、再生療法を取り入れる必要があります。
SPT・メンテナンス
歯周病の治癒が確認されたあと、安定しているかを確認するためにSPT(サポーティブ・ペリオドンタル・テラピー)を行います。歯周ポケットが安定し、プラークコントロールが良好であれば、定期メンテナンスに移行し、再発予防を行っていきます。
ご希望の治療科目を選択してください。
無料カウンセリングを承っています。
当院では無料カウンセリングを承っています。
治療を考えているけど不安な方や現在通院している歯科医院からのセカンドオピニオンなど、患者様のお困りごとを解決し、最適な治療方法を導き出していただくお手伝いをさせていただいてます。悩んだままにせず、お気軽にお問い合わせ下さい。